生理前に太るのはなぜ?体重が増える理由とダイエット方法
いつも通りのダイエットをしているのに、生理前になると体重が増えるのはなぜなのでしょうか。
生理前に体重が増える理由と、生理前に太らないためのダイエット方法をご紹介します。
生理周期によって「太る時期」「痩せやすい時期」がある
女性の体は、様々なホルモンが正常にそして周期的に分泌されることで、毎月「生理」が起こっています。
生理はだいたい決まった間隔で訪れますが、これを「生理周期」といい、個人差はありますが、約25~35日、平均28日のサイクルで繰り返され、1ヵ月で3つの周期に分けられます。
【サイクルが平均的な28日の場合の生理周期】
この周期の中で太りやすいのが、「3.排卵後~生理前」です。
特に生理の10日前ぐらい~生理までは、最も太りやすくて痩せにくくなります。
逆に最も痩せやすいのが、「2.生理終了後~排卵日」の期間です。
このように、女性の体には生理周期によって「太る時期」と「痩せやすい時期」があります。
ではなぜ、生理前は太りやすくなってしまうのでしょうか?
生理前に体重が増える理由
むくみ
生理前になると、卵巣から女性ホルモンのひとつである「黄体ホルモン(プロゲステロン)」が多く分泌されます。
黄体ホルモンは、妊娠の準備をするホルモンで子宮や赤ちゃんを守ったり、受精卵の着床を助けますが、生理の出血によって栄養不足にならないように、水分をはじめとした栄養を皮下の細胞にため込む働きをするので、体はむくんでしまいます。
このときに蓄えられる体内の水分量は約2000mlにもなると言われているので、個人差はありますが生理前に1~4kg増えるのは当然なことなんです。
そのため生理前は一時的に体重が増加してしまいますが、体脂肪が増えて太ったわけではないので、生理が始まると自然に解消していくので心配はいりません。
食欲増加
黄体ホルモンには、栄養をため込む以外にも、脳の食欲中枢を刺激する作用もあるので、いつもより食欲が増加します。
そのため生理前は、高カロリーな油っこいものや炭水化物が食べたくなりますし、黄体ホルモンは精神の安定に深く関わる”セロトニン”を減少させるので、ストレス発散のために甘いものが欲しくなります。
生理が終わりホルモンが変化すれば自然と食欲もおさまりますが、この時期に暴飲暴食しすぎると、消費しきれなかったカロリーは体脂肪にかわってしまうので注意が必要です。
そして、このような生理前のむくみや食欲が増加する症状のことを、月経前症候群(PMS)といいます。
PMSとは、生理が始まる約2週間前頃からあらわれる心と体に起こるトラブルの総称のことで、生理前にイライラしたり、気力が出ない、憂鬱になる、疲れがとれない、便秘、乳房のハリや痛み、腰痛や頭痛などもPMSによるものです。
PMSの症状は200種類以上あるといわれており、その月々によっても症状に違いがあるので、生理前にダイエットする際は、PMSのことを理解し、上手に付き合っていくことが大切になります。
生理前の体重増加を防ぐダイエット方法
PMSを緩和する栄養をとろう
PMSは、ホルモンバランスの乱れが原因なので、生理前はホルモンバランスが整うように、PMS症状を緩和する栄養素を積極的にとるようにしましょう。
【PMSを緩和する栄養素と食材】
〇カリウム…体にたまった余分な水分や塩分を体外に排出する働きがある。
ほうれん草、パセリ、アボカド、納豆、昆布、ワカメ、干ししいたけ、バナナ、りんご、じゃがいも、里芋など
〇ビタミンC…ストレスから体を守る。生理前のイライラや肌荒れ効果的。
ピーマン、キャベツ、ブロッコリー、ゴーヤ、菜の花、キウイフルーツ、いちご、柿、オレンジ、グレープフルーツなど
〇鉄…血液の主成分であるヘモグロビンを作る材料になる。
レバー、赤身肉、まぐろ、かつお、煮干し、しじみ、あさり、ひじきなど
〇食物繊維…便秘解消
ごぼう、こんにゃく、オクラ、大豆、えのき、まいたけ、ワカメなどの海藻類
食事回数を増やす
生理前の食欲増加を抑えるためには、できるだけ空腹状態を作らないようにすることが効果的です。
そこでオススメなのが、1日の食事の摂取カロリーはそのままに、1日3食の食事量を、5~6回分に分ける方法です。
食事回数を増やすことで食事の間隔が短くなるので空腹を感じにくくなりますし、血糖値の急上昇を防ぐことにもなるので脂肪の蓄積を防ぐこともできます。
充分な水分補給を
生理前はむくみやすくなりますが、むくみを抑えるために、水分を控えるのは逆効果です。
体の水分が足りないと代謝が悪くなって、むくみはさらに悪化し、肌荒れや便秘の原因にもなるので、生理前もしっかり水分補給をするようにしてください。
ただ、ジュースなどの清涼飲料水はカロリーと糖質が多いので、水かカフェインを含まない麦茶やルイボスティーなどがオススメです。
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血行をよくする
生理前はむくみの影響などで血行が悪くなっているので、血行を促進させる運動を積極的にとりいれましょう。
家でヨガやストレッチをしたり、気分転換をかねての軽いウォーキングやジョギング、余裕があればサイクリングや水泳などもいいですね。
また運動以外にも、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かったり、マッサージをすると、体が温まって血流がよくなります。
お風呂やマッサージにはリラックス効果もあるので、イライラを抑えたりストレス解消することもできますよ。
生理前に控えたいもの
コーヒーや紅茶に多く含まれるカフェインは、脳を興奮させ、不安やイライラを高める原因になるので、生理前はできるだけカフェインを控えるようにしましょう。
また食品添加物の中には、体内の機能を低下させるものもあるので、レトルト食品や加工品も生理前は控えた方がいいです。
そして、塩分の摂りすぎはむくみを悪化させる原因になるので、塩からい食べ物は避け、調味料の使い過ぎにも注意してくださいね。
生理前は体が敏感に反応しやすいので、いつもより体に負担をかけずにダイエットすることが大切です。
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生理前豆乳ダイエット
豆乳には、女性ホルモンと似た働きをするイソフラボンや、むくみを解消するカリウム、脂肪の吸収を抑えるサポニン、基礎代謝を活発にするサポニン、腸内環境を整えるオリゴ糖などが豊富に含まれています。
そんな豆乳の栄養素に着目したのが「生理前豆乳ダイエット」です。
生理前豆乳ダイエットのやり方は、生理が始まる7日~10日前から生理が来るまでの間に、1日200mlの豆乳を飲みます。
生理前の7日~10日の間は、黄体ホルモンが活発に分泌されはじめてピークを迎えるので、豆乳を飲むことでホルモンバランスを整い、むくみ解消やPMSを軽減することができるんです。
豆乳を飲むのは、生理が来たら止めてもいいですし、生理中飲み続けてもOK!
飲むタイミングは基本的に自由ですが、おやつの代わりにしたり、夕食前に飲むとお腹が膨れるので食欲を抑えることができます。
豆乳には大豆と水だけで作られた「無調整豆乳」と飲みやすく味を調整した「調整豆乳」がありますが、生理前に飲むなら大豆そのものの栄養をとれる無調整豆乳がおススメです。
ただ、無調整豆乳は大豆特有の風味が強いので、豆乳初心者は調整豆乳から始めてみましょう。
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生理前のむくみには漢方もオススメ
生理前の症状には個人差がありますが、生理不順や冷え、むくみが特にひどいなら漢方を活用してみましょう。
漢方の世界では、全身の組織や器官に栄養を与えている「血(けつ)」の量が足りなければ栄養不足になり、体全体に血を届けることができなくなるといわれています。
その結果として、生理周期の乱れや冷え、むくみなどの症状が現れてしまうのです。
そんな生理の不調を解消してくれる漢方が「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」です。
当帰芍薬散錠には、水分代謝を高め、余分な水分を体外へ排出する働きがあるので、むくみや冷え性改善に効果的です。
またむくみ以外にも、生理不順や生理痛、冷え性、めまい・立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え、耳鳴りなどを改善する効果もあります。
生理が始まったら・・・
生理中の体と心はデリケートなので、心身ともにストレスを溜めないよう、リラックスした時間を過ごすようにしましょう。
また生理中は基礎体温が低くなり、血行不良で体が冷えやすくなるので、温かい食事をとる、シャワーでなく湯船につかるなど体を温めることを意識してください。
生理が終わると、PMSの症状は落ち着き、代謝も活発になるので、この時期に集中してダイエットすると効率的に減量することができますよ!
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生理前は体に負担をかけないダイエットを!
女性には生理周期によって「太る時期」「痩せやすい時期」がありますが、太る時期に体重が増えるのは、PMSによるむくみと食欲増加が原因です。
そのため生理前にダイエットする時は、PMSのことを理解し、上手に付き合っていくことが大切になります。
PMSを緩和する食材を取り入れて栄養バランスを整えたり、食事回数を増やす、充分な水分補給をすると太りにくくなりますが、生理前はデリケートな時期なので体に負担をかけないよう、ムリのない範囲でダイエットを行うようにしてくださいね。
生理が終わると痩せやすい時期になるので、生理周期を上手に利用して効率的にダイエットしていきましょう!
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